異界化した東京渋谷を舞台にした、国産オープンワールドFPSアクションゲーム。都市伝説や呪術といった日本独自のオカルト要素をふんだんに取り込んでおり、全体的に和風ホラーと現代アクションを融合させた独特の世界観が特徴となっている。
渋谷を舞台にしているだけに、スクランブル交差点周辺や雑居ビル、路地裏など、どこかで見たことのある風景や建物があちこちに登場する。もちろんゲーム用にデフォルメや再構築はされているが、国産タイトルということもあり、よくある「外国から見たちょっとズレた日本」感はほとんどない。その一方で、民家や電話ボックス、街灯などにやや古い印象を受ける部分もあるが、これは意図的にノスタルジックさや不気味さを演出しているように感じられ、異界化した世界観とはむしろ相性が良い。
ゲーム開始時点では行動範囲は限られているものの、ストーリーを進めていくにつれて徐々に探索できるエリアが拡張されていく。オープンワールドらしく、マップ上には各種コレクターズアイテムやサブ要素が配置されており、寄り道や探索のモチベーションは高い。反面、エリアが広がっても街並みの雰囲気が大きく変化しないため、後半はやや代わり映えしない印象を受けるのは惜しい点だと感じた。
戦闘システムもかなり特徴的で、序盤はステルスを基本とした立ち回りが求められる。敵に気づかれずに接近し、呪術的な攻撃で仕留める流れが中心だが、いざ戦闘状態になると難易度は一気に上がる。雑魚敵であっても数が増えると手強く、理想は各個撃破だが、地形や索敵の関係で思い通りにいかない場面も多い。敵キャラクターも日本の都市伝説をモチーフにした一風変わった存在ばかりで、倒し方も単なる撃破ではなく「封印」という形を取る点が世界観にマッチしており、演出としても非常にかっこいい。
元々海外向けを意識して作られている作品だけあって、全体の完成度は高く、オリジナリティも十分に感じられる良作だと思う。

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以下ネタバレあり
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日本の都市伝説を取り込んでいるという点は本作の大きな魅力のひとつで、きさらぎ駅、口裂け女、走る人体模型など、「どこかで聞いたことがある」怪異が数多く登場する。強い版口裂け女は、その強さも会って存在がわかるだけで恐怖感を与えてくれる。
そんな感じで日本人プレイヤーにとってはニヤリとできる要素が多いが、これらはおそらく日本文化に馴染みのない海外プレイヤーには伝わりにくい部分もあるはずで、その点が海外でどのように受け取られたのかは少し気になるところだ。
主人公は日本人という設定のはずだが、見た目がややK-POPアイドル風で、そこには少し違和感を覚えた。
ストーリー自体は王道でコテコテな展開だが、ゲーム性と若干乖離しているように感じる場面もある。
後半にかけて異界化が一気に進む展開は盛り上がるものの、最終決戦が東京とは別の場所で行われる流れになっており、そこは少しもったいない。せっかく渋谷、そして東京という魅力的な舞台を用意しているのだから、最後まで東京を舞台に物語を完結させてほしかった、というのが正直な感想である。

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