Gordian Quest

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カードバトル、タクティカルRPG、ハクスラ、ローグライクという複数ジャンルを組み合わせた意欲的な作品。ベースとなるカードバトル部分は Slay the Spire の影響が色濃く、そこにアイテム収集、レベルアップ、スキルテーブル、マップ探索、シナリオ進行といったRPG的要素をかなり強めに融合させているのが特徴だ。カードゲームとしてもRPGとしても中途半端にならず、どちらの要素もがっつり遊ばせる構成になっている。

プレイヤーは最大3人のキャラクターでパーティを編成する。ゲームモードは大きく分けてシナリオモードとローグライクモードの2種類があり、シナリオモードでは用意されたマップを拠点として行き来しながら物語を進めていく。一方、ローグライクモードでは Slay the Spire のようにランダム生成された一方通行のマップを進行し、各マスで戦闘、イベント、キャンプ、探索などが発生する。どちらのモードもゲーム性は共通しているが、遊び方や緊張感が大きく異なる。

戦闘はスクウェア状のフィールドで行われるタクティカルバトル形式。各キャラクターはそれぞれ独立したカードデッキを持ち、攻撃、移動、補助行動などはすべてカードによって実行する。カードごとに攻撃範囲や移動距離、効果条件が異なり、味方キャラクターとの位置関係によって効果が発動・強化されるカードも多い。そのため単に強いカードを使うだけではなく、どこに立つか、誰をどこに移動させるかといった位置取りが非常に重要になる。

カードは数を集めて回転させるというより、精鋭を厳選して強化していくタイプの設計。強力なカードは驚くほど性能が高く、ゲームバランスを崩すレベルのものもある。一方で弱いカードは本当に使い道がなく、デッキに残しておく意味がないことも多い。この極端さは好みが分かれるが、性能を確認しながらプレイを重ねて体感的に覚えていく楽しさもある。日本語訳はしっかりしており、カードやスキルの説明自体は理解しやすい。

カードゲームとしては珍しく、アイテム要素が非常に充実しているのも特徴だ。装備部位は頭、腕、体、足、首、指輪2枠、ベルトと細かく分かれており、出現するアイテムもハクスラ的にコモンからユニークまでレア度が設定されている。性能はランダム要素が強く、同じ種類の装備でもまったく違う能力を持つことがある。キャラクター固有の装備制限はないが、装備には能力値の要件があり、ビルド次第で使える装備が変わってくる。

また、経験値とレベルアップの概念があり、レベルが上がるごとにスキルテーブルから新しいコマを1つ選択できる。能力値上昇、カード取得、HP増加、速度アップなど効果は多岐にわたり、特に高レベル帯のスキルや行動ポイント増加は強さや生存能力に直結する。カードの性能だけでなく、スキルテーブルと装備によるステータス底上げが重要で、キャラクターは複数の要素が噛み合って初めて強くなる設計だ。

全体的なボリュームもかなりあり、シナリオモードでは最近のゲームとしてはやや珍しく、「レベル上げ」を意識して進める必要が出てくる。テンポ重視ではなく、じっくり育成するタイプのRPGが好きな人には相性が良い。

一方で、ゲーム内の説明はやや少なく、序盤はシステムを把握しづらい部分もある。ただし日本語対応は十分で、UIやテキストも整理されているため、慣れてしまえば遊びやすい。絵柄もすっきりしており、過度にクセがない点は日本人ユーザーにも受けが良いと感じられる作品である。

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